ユニジョイナーをなんとかする話で書きましたが、ジョイナーでの電圧降下は単純な電気抵抗性だけではない理由で電圧降下が発生しているようです。

最も単純なのは、接触部に抵抗があり、電流を流すと電圧降下するというものです。これはテスターの抵抗モードで計測できるものとなりますが、接触抵抗は一般的にかなり低い値となり、0.1Ω以下が正しく測れるような機材が必要になります。

かなりしっかり計測されている前例として零工房さんのブログが挙げられます。

https://yaneuraworld.blog.fc2.com/blog-entry-384.html

レール同士が密着しないようにして純粋にジョイナーで電気的に接続させたときの抵抗値を計測されており、とても信頼の置ける内容と結果かと思われます。

しかし、自分も追試していく中でわかったのは、レール表面の酸化・硫化皮膜層によりある種の半導体のような挙動をしているという仮説です。

かなり消費電流が低いコアレスパワトラの車両が全然走らない…という実例が何度か起きており、その原因を調査するなかで単なる抵抗では説明できないほど電圧降下が発生しているパターンがありました。コアレスパワトラの車両が走らなかった部分の抵抗値をテスタで計測しても0.1~0.2Ω程度であり、たしかにかなり大きい値ではあるものの走行できなくなるほどのものではありません。

ところが車両を外し、PWMパワーパックで給電しながらオシロスコープで線路波形を計測すると、問題の箇所付近で波高値が数V単位で低くなっていることが観察できました。その他の追試を含め、どうやらKATOのレールは銅の配分が多いことから酸化しやすく、その結果半導体的な挙動を示すようになり十分な電流を流さないととんでもない電圧降下が発生するっぽい、という結論に至りました。

そんなわけでジョイナーの電圧降下の計測方法として提唱したいのが定電流法です。ジョイナーを含めた線路に実験用安定化電源を使って定電流を流してやり、各所の電圧をテスタで計測し、それぞれの地点間の電位差を直接計測する方法となります。

S123レール2本の計測例です。左上が実験用安定化電源でレールに対して給電し、他端でレールをショートさせておきます。こうすることで左右のレールに同じ電流が流れる状態を作っておきます。当然ながら定電流出力ができない電源でやってはいけません。必ず電流を設定できる電源が必要です。ただし、絶対値の精度はもはやあまり意味をなさないため、計測の再現性を得るためにも相対値が固定できれば良く、中国製のやすい電源(写真のものは秋月電子でも販売されているALIENTEK DP100)で十分です。

例えばこの電源で、500mA出力にして電流を流してみると電圧は0.26Vとなります(500mA出力だが計測値が480mAとなっているのは校正していないため。今回の計測の本質にはかかわらない)。そのため出力電圧はすくなくともこれ以上の値になっている必要がありますが、あまり高すぎるとレールの接続が怪しかったときにスパークしやすいのでせいぜい1、2V程度にしておきます。

この定電流を流している状態のまま、各所の電圧を計測していきます。ここではユニジョイナーのままとなっているジョイナー部での電圧降下を計測しています。0.5Aでやく0.14Vの電圧降下、抵抗にして0.28Ωとなります。後ほど動画で示しますが、この値はまったく安定せず、いつまでもフラフラとしています。

一方、上側の線路はジョイナーをTOMIXのファイントラック用ジョイナー(以降FTジョイナー)に置き換え済みで、電圧降下は6.2mVと二桁も違う結果となりました。両者ともに同じ電流を流し続けているため計測条件はイーブンですがこれだけ違う結果が表示されます。

それぞれを計測している様子の動画です。レール同士をぐにぐにと動かしてみると下側のユニジョイナーは大きく電圧降下が変化しますが上のFTジョイナー側はほぼ変化しません。レール同士があたったり離れたりすることはどちらでも起きており条件としては同一です。通常の抵抗計測モードのままでこのような評価をすると、抵抗値があまりにも変化しすぎてしまうため、何を計測しているのかわからなくなってしまいます。

ちなみに、動画内から使っている極細テスタ棒を使うと片側をジョイナの金属部、もう片側をレール、というように本当にピンポイントに当たることができ電圧降下場所の特定に威力を発揮します。抵抗計測ではなく電圧計測なのでテスタ棒を強く押し当てる必要はなく、押し込んでしまうことで計測結果に影響が出ることもこの方法であれば低減できます。

ここでは500mAの定電流で計測しましたが、この設定電流を上下様々に変えてみるとユニジョイナーの場合に全く電流と電圧降下が比例しないパターンがでてきます。これがおそらく酸化皮膜が形成されたことによる例だと考えています。最初の動画撮影のためにグニグニ動かし続けた結果、おそらく酸化皮膜が取れてきて最終的に低い電圧降下で落ち着くようになってしまったため、その様子の動画は今回は取れませんでした。

最近は今回使ったDP100のようにモバイルバッテリで動かせる実験用安定化電源が販売されているため、運転会のような場所でも定電流を流す環境が用意でき、この評価方法が簡単にできるようになっています。電源のほかは電圧計測できるテスタさえあればよく、高価な4端子法が利用できるマルチメータも不要です。ポイントの電圧降下についてもこの方法を使って計測すると、意外と各所で電圧降下していることがわかります。みなさんも正しい計測から正しい対策を導き出しましょう。

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