最終更新2011/8/9
・未完成だった部分を追加.

DV01基板 取り扱い説明書

C80で頒布したデジタルボリューム(電子ボリューム)基板の取説です. 今回は調整する箇所はありませんが,利用方法で幾つか注意があるので,しっかりと読んでから組み立ててくださいね.

DV01ってなに?

DV01は,最近秋月で取り扱いの始まった,NJW1159DとLM1792Mと言う電子ボリュームをとりあえず使ってみたい,と言う目的で作られた基板です. 電子ボリュームはオーディオ部品ではありますが,操作にマイコンが必要で(なくてもできますが…),なかなか踏み出せない人もいるだろう, ということで,制御用プログラムが書きこんであるマイコンもセットにして頒布することにしたわけです.
そのため,ハイエンドな電子ボリューム基板!!というわけではなく,電子ボリュームってこういうものなのか,これくらいの性能が出るものなのか, というのを感じてもらうための基板です.というか,自分がどれくらいのものなのか知りたかったので作った基板です(ぉ

概観

基板は5枚でワンセットです.メイン基板(左下),ボリュームデバイス基板×2種類(右下),おまけの電源基板(左上),おまけの入出力基板(右上)です.

回路図


回路図です.上の写真と同じようにブロックごとに分けて書いてあります. 部品番号を修正する前のバージョンのもので基板を作ってしまったので,非常に見難くなっていますorz
利用にあたっての致命的なミスはありませんが,マイコン書き込み用のICSP(ISP)端子の5VとGNDが逆になっています.自分で書き込みたい人はなんとかしてください.

部品表

部品一覧です。
部品番号 種別 型番/値 購入場所 備考
メイン基板
IC4 マイコン ATtiny861A 付属
C5 積セラ 10V 0.1uF 秋月など 足ピッチ5.08mm
C6,7 電解 10V 100uF 秋月など ◯オーディオ用
C10 電解 10V 10uF 秋月など なんでも
C11,12,13,14 電解/フイルム 10V 1uF〜 秋月/bispaなど ◎オーディオ用
CN1 コネクタ JAE IL-G 3ピン 西川 ボリューム用電源
CN3 コネクタ JAE IL-G 3ピン 西川 IRモジュール
CN4 コネクタ JAE IL-G 3ピン 西川 操作デバイス
CN10,11 ピンソケット 1×8ピン 秋月/千石 モジュール接続用
メイン基板オプション
IC4 ICソケット DIP20ピン 秋月 もしものため
IC2 電源 78L05系 秋月 制御用電源
C17,18 積セラ IC2にあったもの 秋月など
CN2 コネクタ JAE IL-G 2ピン 西川 制御用電源
ICSP ピンヘッダ 2×3 秋月 書き込み用
ボリュームモジュール NJW1159D
IC1 IC NJW1159D 秋月
C1,2 電解 10V 10uF〜 秋月/bispa ◯オーディオ用
C3,4 積セラ 10V 0.1uF〜 秋月 1608サイズ
C15,16 コンデンサ 10V 0.1uF〜 秋月/bispa 1608サイズ
CN20,21 ピンヘッダ 1×8ピン 秋月/千石
ボリュームモジュール LM1972M
IC3 IC LM1972M 秋月
R1 1/8W抵抗 2KΩ付近 秋月 足ピッチ5.08mm
C8,9 コンデンサ 10V 0.1uF〜 秋月/bispa 1608サイズ
CN30,31 ピンヘッダ 1×8ピン 秋月/千石
おまけ 電源基板
U1 DC-DC MAU106 秋月
C101 電解 10V 100uF 秋月/bispa 低インピ品
C120,103 電解 10V 470uF〜 秋月/bispa 低インピ品
F101,102 フィルタ 村田 BNX002 マルツ/bispa
CN101 コネクタ JAE IL-G 2ピン 西川 入力
CN102 コネクタ JAE IL-G 3ピン 西川 出力
おまけ 入出力基板
J1,2 ジャック PJ-3070CNなど マルツ/bispa HA10miniのとおなじ
CN201,202 コネクタ JAE IL-G 3ピン 西川
その他
VR ボリューム 5KΩ Bカーブ 秋月
ENC ロータリエンコーダ EC16B 秋月
配線,ケース,ネジなど

コンデンサの値は電圧も容量も最低値を書いています.これより大きければ問題ありません.大きすぎて問題になるような箇所は,この基板にはありません.

IC4のICソケットはなくてもいいですが,今後ソフトのアップデートがあった場合で,自分で書き込めないと言う人は,ICだけ頒布する可能性があります.その時に交換できると便利なので,ソケット化しとくほうが無難でしょう.
アップデートする気がない,自分で書き込みできる,というのなら直付で全く問題ありません.

その他,メイン基板のオプション部品については下記の使い方などを詳しく見てください.

使い方

電源

 DV01では,電源に
  • ±5〜7.5Vのボリューム用電源(CN1)
  • 5Vの制御用電源(CN2)
  • が必要になります.前者は高いほど,入力できる電圧範囲が広がります.後者は安定化した5Vが必要です.とりあえずメイン基板上には,どちらも独立で供給できるように,CN1とCN2が用意してあります.が,正直めんどうなので,通常の使い方としては,CN1に±5Vを供給し,IC2を写真のようにジャンパし,電源を共用することをお勧めします.そして,±5V電源として,おまけ電源基板を利用すると,5V単電源で動かすことができるようになります.  もし,音質のため,電源電圧を±7.5Vにしたい,と言う場合には,IC2を実装し,共用電源にしてもいいですし,CN2を実装して,外部から別に供給しても構いません.ただし,どちらの電源もGNDは共通になっているので注意してください.

    VOL端子

     いわゆるボリュームの代替となる基板なので,ボリュームに値する端子がVOL1とVOL2になります.どちらも1ピンから
  • 入力
  • 空き
  • 出力
  • 空き
  • GND
  • と並んでいます.また,ボリュームモジュール基板内で,それぞれのGNDがつながっているので,ループに気をつけてください.更に,モジュール内で,電源のGNDとも共通になっています.これは,ICの仕様上しょうがなかったのです.おまけ電源基板の使っているDCDCモジュールは絶縁タイプなので,大元の電源からはフローティングできる(してしまう)ので,どこかでうまくGNDを処理してやってください.

    NJW1159Dモジュール

     NJW1159Dモジュールには,2箇所,設定用のジャンパがあります.必ず写真のように半田を盛って,外側か,内側を選択してください.外側を選択すると,NJW1159の内蔵アンプをスルーした出力となり,内側を選択すると,内蔵アンプを利用した出力となります.
    ついでに,コンデンサは写真のように寝かせると高さを抑えることができるので良いと思います.これは,実装する場所次第なので,立てても問題ありません.

    メイン基板のC10

     C10はモジュール基板の下に入るため,物によっては基板と干渉してしまいます.鑑賞する場合は,写真のように寝かせて実装してください.

    カップリングコンデンサ

     C11,12,13,14はカップリングコンデンサです.特に,出力側のC13,14は,後ろの繋ぐ機器の入力がカップリングされている場合には必要ないです.入力側も,なくても大丈夫なはずではあります.が,NJW1159のデータシートにはその旨が明記されていないので,一応搭載する形としました.LM1972の方は電源電圧-数VまではDC入力できるようです.このへんは各自実験してみてください.そのための基板ですし(ぉ

    モジュールの載せ替え

     ボリュームデバイスの基板モジュールは,載せ替えるだけで,どちらも利用できるようなシステムにしてあります.載せ替えをする時は,必ず電源を切ってから載せ替えてください.電源が入ったときに,モジュールを判別するシステムになっています.

    操作デバイス

     音量の操作には,いわゆる可変抵抗のボリュームか,ロータリエンコーダの2種類が利用できます.ボリュームを利用する場合には,最大音量側の端子を1ピン,可動端子を2ピン,最小音量側の端子を3ピンにつないでください.ロータリエンコーダの場合には,A相を1ビン,B相を2ピン,コモンをGNDにつないでください.もし逆に動作する場合には,ボリュームの場合,1と3ピンを,エンコーダの場合,1と2ピンをそれぞれ逆にすれば動作が逆になります.秋月で売ってるのは,右の写真の端子がコモンです.
     これらのデバイスは,電源を入れた瞬間にどちらがつながれているかを自動的に判定するので,必ずつないだ状態で電源を入れてください.また,電源が入っている状態で差し替えをしないでください.

    その他注意事項

  • 回路図のところでも書きましたが,書き込み用端子のプラスとマイナスが逆です.自分で書き込む人は何とかしてください.
  • プログラム

    ソースコードはこちら
    AVRStudio5のプロジェクトはこちら
    ソースコードに十分コメントをつけたつもりでいるので,詳しくはコードを読んでください.タブは4文字分です.
    これをベースに改造したものを公開しても構いませんが,その際は
  • 大元のファイルはMLKWY Industryが作成したこと
  • 公開しているファイルは変更されていること
  • を必ず明記してください.

    その他

    また、わからないこと、動作報告などあればblogやメールでお願いします。
    by STRV