12/02/02 公開開始

HA10miniハイパワーキット基板取説

HA10mini用の終段ハイパワー化キットの取説です.HA10mini自体の取説はこちら . HA10mini自体については,こちらの紹介記事を参考にしてください.

ハイパワーキットでは,終段トランジスタにZXTN23015/ZXTP23015という定格15V/6A/1.25Wというパワー型トランジスタを標準部品としてセットにしています. このトランジスタを使い,バイアス電流を大量に流すことにより,A級動作を実現し,これまでにない低出力インピーダンスを実現しています. そのため,音量は取れないものの,スピーカを駆動することも余裕でできてしまいます.

外観

Rev1


ハイパワーキット基板は終段トランジスタがひとつしか乗りません.その分放熱用のパターンを作ってあり, バイアス電流をがっつり流しても大丈夫なようになっています.

回路図

Rev1.0
基本的には通常の二階基板と同じ作りです.ただ,ベース抵抗があるので若干歪的には有利.

部品表

基板一枚分(ステレオ分)の部品一覧です。
部品番号 部品 入手先
R101,102,109,110 抵抗 390Ω 1/8W以上
下記注意書き参照のこと
4 bispa マルツ 千石etc
R103,104,111,112,117,118 抵抗 10Ω 1/8W以上 6 bispa マルツ 千石etc
R105,106,113,114 抵抗 0.5Ω 1/8W以上
下記注意書き参照のこと
4 千石 海神etc
R107,108,115,116 抵抗 2KΩ 1/8W以上 4 bispa マルツ 千石etc
C101,102 フィルムコンデンサ 0.1uF
LGMFCとかMMTとかECPUとかECHUとか
2 bispa マルツ 千石etc
CN5,6 2×5ピンソケット
真ん中の二本の端子を抜いて使います.
2 マルツ 秋月 千石
TR101,103 PNPトランジスタ
標準:ZXTP23015CFH
2 付属
TR102,104 NPNトランジスタ
標準:ZXTN23015CFH
2 付属
CN105,106 2×5ソケット
真ん中の二本の端子を抜いて使用
2 マルツ 秋月 千石
CN109,110 1×4ヘッダ 2 マルツ 秋月 千石
  テスト端子 おこのみで 千石 マルツ

注意書き
・390Ωの抵抗は小さいほど歪は少なくなる傾向にありますが,小さくし過ぎるとしっかりバイアスすることができなくなります. 逆に大きいほど,バイアスを流しやすくなるので,出力インピーダンスを下げたい場合には大きくする方法もあります.ただ,こちらもやり過ぎると バイアスの制限が効かなくなるので,注意してください.せいぜい100〜750Ωの間になると思います.

・0.5Ωの抵抗は無ければもっと大きい抵抗でも構いませんが,バイアス電流を多くとっているため,出力振幅が犠牲になります. 外してしまうと動作が不安定になります.

調整方法

基本的には通常のHA10miniと同様です.計測ポイントが右図のようになっています.テスタ棒が当たっているところと,黄緑色でペアリングした四ヶ所になります. 通常の基板と同様に抵抗の両端電圧から電流に換算してください.おすすめのバイアス電流は100mAなので, 終段の抵抗が0.5Ωなら計測ポイントの電圧はオームの法則から,50mVとなります. 抵抗が違う場合には各自換算して調整してください.
なお,発熱するとどんどん値がずれていくので,数分の時間をおいて何回も調整してください. そうでないと,トランジスタを破壊する可能性が非常に高いです.

注意点

・推奨トランジスタで推奨バイアスに設定すると,そこそこ発熱します.外気温があっつーいところで使っていると,熱暴走するかもしれません. 事前に暴走しないかよくチェックしてから使ってください.対策として,厚めのラムダゲルなどをケースと基板の間にはさみ,ケースに放熱するのもお勧めです.

・より一層低インピーダンス化しているので,出力オフセットはよく確認してください.とくに再生機がDCを漏らしてないか注意が必要です.




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